大部屋での入院って、実際どうなの?

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今回は、入院生活でかかせない病室について取り上げたいと思います。
入院することになったら、個室にすべきか、大部屋にすべきか悩む方は多いのではないでしょうか?

この記事では、
「大部屋での入院って、実際どうなの?」
の疑問にお答えします。

1.前置きとして、病院の歴史

入院の際に、大部屋がいいか個室がいいかを考える前に、そもそも病院・病室はどのような歴史があるのでしょうか? このブログを書くにあたりWikipediaで調べてみました。

“近代までは病院とはほとんど治療の場というより、感染症患者や精神病患者を隔離する、あるいは貧しい患者に食事とベッドを提供すると言う役割の方が大きかったのです。

これに対し裕福な層は自宅で療養し、医師の往診を受け、メイドによる介護を受けていました。これと同等に近い環境を目指し、治癒を目的とした病院を提唱したのがフローレンス・ナイチンゲールです。彼女の提唱したナイチンゲール病棟は、二十数人程度の患者を一つの看護単位とし、限られた看護師しかいない状況でも出来るだけ手厚い看護と治療を受けられるようにしたものです。

20世紀前半までは、病院は学校や拘置所・刑務所と言った施設と同じような設計思想で作られていました。

20世紀後半になると、アメリカを中心に、病院に特化した設計思想が生まれてきました。ナースステーションから各病室への距離を縮めるためにフロアの中心に置き、さらにフロアの形状も円形や三角形、多角形などとして動線が工夫された。全室を個室や2人部屋以下とするのも、一つには動線の短縮のためであるそうです。日本でこうした設計思想が取り入れられ始めたのは1990年代からであるが、現在では大学病院や都道府県立病院などの改築の際には、ほとんどこの設計思想が取り入れられています。

*Wikipediaより抜粋(一部、接続詞や語尾などを改変して掲載)

 

2.大部屋ってどんなところ?病室の決め方って?

(1)大部屋ってどんなところ?

大部屋は、名前の通り、ベッドが複数並んだ大きい部屋(病室)です。ベッド数は病院によって異なり、4〜8個と少し幅があります。

他の患者さんと一緒の部屋で入院生活を送ることになるわけですが、大部屋での入院環境はどのようなものでしょうか?

必ずしも、
良い入院環境 = 個室で入院
というわけではありません。

時と場合によって、また人によっては、大部屋の方が良いと言える環境かもしれません。

詳しくは、3で大部屋のメリットとデメリットを比較してみましょう。

(2)病室はどのように決まるの?

もしも入院が決まったら、まず病院内にある入退院センター(入退院受付、患者支援センターなど名称は色々です)で、入院の手続きをおこないます。ここで、入院時の持ち物や予想される費用など、入院に関する諸々の説明が行われます。

ここで、病室の希望も確認されますので、個室か大部屋かの希望をお伝えください。(入退院センターは、病院において入院患者のベッドを効果的・効率的に稼働させるためのベッドコントロール(管理・調整)も担っています。病棟師長が最終責任者です)

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3.大部屋のメリット、デメリット

大部屋という入院環境のメリットとデメリットを見てみましょう。

(1)大部屋のメリット

①他の患者さんたちと情報交換や交流がしやすい
②人の出入りが多くて安心
③費用が安く抑えられる

それぞれ見てみましょう。

①他の患者さんたちと情報交換や交流がしやすい

同じ境遇の方たちと知り合うことで、これからの生活に必要な情報を得たり、同じ経験をした人の話を聞くことで精神的な安心にもつながるかもしれません。
同じ病室には、同じ診療科にかかっている患者さん、また同じ病気で同じ治療を受けているという方もいるでしょう。さらに同じ部屋でも、術前の人と術後の人がいることも当たり前のようにあります。
入院したご本人にとっては、手術前の恐怖、その後どうなるのか先の見えない不安がある中で、同じような経験をした先輩患者さんに術前の不安を聞いてもらったりすると、少しは不安な気持ちが和らぐかもしれません。手術前には同部屋の患者さんから「大丈夫だよ、頑張って!」と送り出してもらうということもよくあります。

そして、術後に一般病棟に戻ってきたときには「おかえり、よく頑張ったね」と受け入れてくれることはどれだけ安心することでしょう。

そして術後には、日常生活を送る上での工夫や気をつけることなど、経験者ならではの知恵を教えてもらうことで、少し先の未来が明るく照らされるでしょう。例えば、糖尿病や腎臓病、心疾患など、食事制限がかかる病気の方は、レシピの工夫や外食の工夫などの情報交換をおこなったりしています。

このように同じような経験をした“仲間”がいることは、とても心強いことだと思います。このように、同じ境遇の人による精神的なサポートを “ピアサポート”と言います。

①-b.そうはいっても・・・最近の大部屋事情は!?

①の補足ですが、

病院や病室によっては、各人がカーテンを閉めて一切コミュニケーションがない場合もあります。あなたは同室の人たちと話をしたい/聞きたいと思うかもしれませんが、相手は話したくないのかもしれませんし、具合が悪いのかもしれません。

いきなり無理に話しかけず、チャンスがあればご挨拶することからはじめてみるのはいかがでしょうか。

②人の出入りが多くて安心

大部屋だと、患者さんの人数が多い分、看護師や医師、薬剤師、栄養士など医療者の出入りが必然的に多くなります。

自分に用事はなくても、隣のベッドの患者さんや向かいのベッドの患者さんの処置等があるために、昼間は医師や看護師の出入りが頻繁で安心です。ナースコールを押しづらいくらいの些細だけれど気になることがあれば、このタイミングで話しかけてみるのも良いでしょう。

③費用が安く抑えられる

大部屋であれば個室の宿泊料(差額ベッド代)はかからず、公的保険でまかなわれますので、個室に比べると入院費用は安くすみます。これは別の記事で詳しく紹介します。

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(2)大部屋のデメリット

①プライバシーが保たれにくい
②周囲に気を遣う
③設備は共用が多い
④治療状態の差を感じる

それぞれ見てみましょう。

①プライバシーが保たれにくい
②周囲に気を遣う

①、②は、メリット「人が多くて安心」の裏返しです。
特に入院中で近しい人がお見舞いに来てくれたときは、体調の他に、「仕事をどうする?」、「お金・保険をどうする?」など、かなりプライベートな話題になることもあるでしょう。カーテン1枚挟んで、同室の患者さんや彼らのお見舞い客に聞こえてしまうことがあるかもしれません。そういう時は、場所を変えて話をするなど、工夫をしましょう。

自分がいびきや歯ぎしりをするという方の中は、そのことを不安に思い安心して眠れなくなってしまうという方もいらっしゃいます。また夜中にトイレに起きると、「同室の患者さんに迷惑なのでは?」と気を遣いすぎてしまう方もいらっしゃいます。

③設備は共用が多い

入院環境としては、
・テレビ
・収納棚、貴重品ボックス
・トイレ
・シャワー
・冷蔵庫
・ランドリー(洗濯機・乾燥機)
・その他(テーブル、椅子など)
などがあります。

テレビや収納棚、貴重品ボックスは、個室でも大部屋でも付いていることが一般的ですが、大部屋の場合はその他の設備は共用となることが多いでしょう。

④治療状態の差を感じる

そして辛いのが、治療状態が様々な方が一緒にいることで、
「食事制限中で我慢しているのに、周囲が食事している環境にいる」
「治療で食欲がないのに、同室の患者さんの食事が臭ってきてしまう」
ということが起こることでしょう。

治療の状態によっては食欲が落ちたり、食事が制限されてしまうので、他人の食事はあまりみたくないものです。一人になりづらい環境ならではの大変さがあるのかもしれません。

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4.大部屋での過ごし方のヒント

上記の大部屋のメリット・デメリットにあげた通り、大部屋は、良い意味でも悪い意味でも、集団生活です。

朝起きてから、夜寝るまで、カーテン1枚を挟んで、他人がいます。
そんな状況で入院生活を送る際のヒントになればと思います。

(1)大部屋でも自分の環境をつくる

デメリット①、②への対応のヒントとして、

大部屋でも、なるべくゆったり過ごしたいと思ったら、窓側のベッドがおすすめです。外の景色が眺められますし、廊下を歩く人から覗かれることもありません。病室に人の出入りがあっても、奥までは来ないこともあるので、比較的静かです。

逆に、手術直後や体調が不安定な時は、廊下側の方がトイレまでの距離が短い、看護師の目に触れやすいなど、良いかもしれません。

上記のような理由で、入院中にベッドの位置や部屋を変更したいときには、看護師にあらかじめ希望を伝えておきましょう。空きがあれば、替えてくれることもあります。困ったときは希望を伝えてみてください。

大部屋では消灯時間が設けられていますので、それ以後も電気をつけて本を読んだりすることは、周りの人の迷惑になります。(病院にもよりますが、21時というのが一般的です)こういう時は、スマホやiPad、Kindleなどバックライトのついた電子書籍を使ったり、音楽を聞くなどもオススメです。

大部屋でも、夜中に心地よく眠るために、耳栓やアイマスクを持参するのも解決策の1つでしょう。

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(2)大部屋の外に自分の居場所を見つける

デメリットの④
他の患者さんの食事が辛いときは、病院の中でお気に入りのスペースをみつけてそこで時間を過ごすのも良いでしょう。先輩入院経験者は、病院内のスターバックスにいったり、中庭のベンチに座ったり、別のフロアの共用の椅子に座ったりと、調子が良い時はお気に入りの本などを持ちながら、なるべく病室の外で過ごしたという方もいらっしゃいます。

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5.大部屋のお見舞いはどうする?

大部屋に入院している人のお見舞いにいく時は、どんなことに注意すればよいのでしょうか?

面会時には、声の大きさや会話の中身、差し入れる食べ物や、身にまとう服装・香水などの匂いなどにも配慮が必要です。臭いの強い食べ物やきつい香水、派手めの服装などにも注意しましょう。

入院している人と会話をしたいときには、本人の体調や希望を聞きながら、あまりプライベートな内容を病室で話すのではなく、デイルームや食堂などの共用スペースに移動して会話するといいでしょう。

入院している本人の立場からすると、同じ部屋の人にプライベートなことを聞かれることはあまり気持ちのいいものではないかもしれません。良いお見舞いの時間とするためにも、本人の体調や話す場所を確認しましょう。

 

6.大部屋ならではの面白体験談

GIFTRee(ギフトリー)が実施したアンケートによると、大部屋だったからこそ普段はないコミュニケーションが生まれたという方がいます。ひとつ紹介しましょう。

★東欧の女性と同部屋になったことがあるのですが、「観光できる場所は?」とか、「食べ物は?」とか、「気候風土は?」とか、一緒に検査へ行ったり、他愛ないことを話していました。日本人同士のほうが同部屋の人と話すことが少ないのかもしれません。(30代、女性)

こんな風に、大部屋だからこそ、非日常の体験をしたという方もいらっしゃいます。

せっかくの入院生活も楽しめるといいですね。

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